ビジネスマンの皆さまへ捧げる読書日記

私が読んだ本のなかで役に立ちそうなものを紹介します

「自己チュウにはわけがある―対人心理学で分かったこと」を読んで

今日紹介したい本は、こちらです。

「自己チュウにはわけがある―対人心理学で分かったこと」斉藤勇

 

面白かった箇所をいくつか書き出します。

 

男性は、人間関係の優劣に敏感だということです。その特徴として、人と会った時に、相手と自分が上か下かを真っ先に気にします。

ここで著者は、名刺交換を例に挙げています。この名刺交換をするのは、上下関係を決める儀式と言うのです。確かに、ビジネスの場で名刺交換をする時に、相手の名前よりも名刺に記載された肩書きに真っ先に目が行きます。名刺には、肩書きよりも名前の方が大抵は大きく記載されています。それにも関わらず、肩書きを見てしまうのはこうしたことが理由だと納得できます。あと、新しく入った社員(特に中途)を見る時、「どんな人なのか」よりも「どれくらいできる人なのか」を気にしますね。

さらに、会社の大小、肩書き、先輩後輩といった組織上優位と心理的な優劣関係は別であると著者は指摘します。組織上優位者は、自分が本当に優位なのかいつも心配しており、部下に尊敬されているか、部下が自分を優位者だと認めているのかいつも気にする羽目になります。「自分を無視していないか」これが下の者が自分を尊敬しているかどうかの一つの目安になるのです。

「オレは聞いていないぞ」と言って部下をしかるのは、自分の能力を認められず、尊敬もされていないことによって、自分が無視され(蔑ろにされ)たと思うためです。「私は聞いてないです」を下の人の中にも怒って言う人がいますが、こうした心理があると思うと納得です。

 

続きまして、誤った関連付けよる無意識のものとして、数が少ない者同士を勝手に関連付けてしまう心理メカニズムがあります。

どのようなことかと言うと、大小二つのグループと大小二つの行動があります。一方で、数が多いグループと数が多い行動を結びつけて、他方で数が少ないグループと数が少ない行動を勝手に結びつけてしまうことです。

さらに、具体的に言うと、ある集団 A と集団 B の 2 つの集団あります。集団 A の方が数が多く、望ましい行動の数も多いので、集団 A と望ましい行動が勝手に結びつけられます。集団 B は数が少なく、望ましくない行動の数が少ないため、集団 B と望ましくない行動が勝手に結びつけられてしまうのです。つまり、集団 B は、望ましくない行動をする集団だと関連づけられてしまうのです。

こうした心理メカニズムによって、小集団やマイノリティの人たちイコール「望ましくない行動をする奴らだ」という関連付けが行われてしまうのです。厄介なのが、こうした結びつきは、憎しみや軽蔑といった感情は一切抜きで、考える以前に行われているのです。

著者はこうした状況を次のように述べています。

どの社会にも、犯罪行為など、望ましくない行動がたくさんあります。ですが、それは他の多くの日常的な行動と比べれば、かなり数少ない、特殊な行動です。それなのに、望ましくない行動に対して、大集団の人たちは、小集団、マイノリティの人がやったのはでないかと、この心理メカニズムによって、自動的に思ってしまうのです。恐ろしいことです。

 

他にもためになった話しがたくさん載っていましたので、気になった方はぜひお手にとってみてください。

 

自己チュウにはわけがある―対人心理学で分かったこと (文春新書)

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