著者は分かりやすく人へ教える技術や方法を提案されている方で、私も仕事柄メールを書くことが多いので、著書をよく参考にさせてもらっています。
それでは、参考した点を紹介します。
「どうしても教えたい」視点
自分が扱う商品を総合的に気に入っていないとします。しかし、それでもどこか一点のみは「ここはいい!」と自分でも思える箇所があるはずです。
お客へ提案をするときには、そこを相手に是非教えてあげると良いと言います。
ここで重要なことは、相手へ言いたいことではなく、教えたいことです。
教えるというのは、「あなたに教えたい」であって、決して「自分が教えたい」ではないので注意が必要です。
この「教えたい」という感情は、本音がベースでないと決して湧き上がってこない感情だから、「あなたに教えたいことは何か?」という視点で自分の中から言葉を引き出せば、これまでと全く違う言い方ができるようになる、と述べられています。
「あなたにだからこそ私は教えたいんだ!」という気持ちを持つのが良いのでしょうか。こういう気持ちはもちろん大切ですね。
続いて、その方法です。
◆ ステップ 1
自分の言葉の作り方を身につけます。そのためには、感情の「震源地」に目を向けます。
自分が感銘を受けた映画があり、この映画の良さを人へ教えたいとします。
ここで、「教えたいことは何か」を考えるのですが、このときは全体を語らずに、一部に絞って考えます。
自分の言葉を作るためには、自分の感情が揺れた「震源地」を自分で明らかにすることが大切です。概要を伝えることは後回しにします。これは、全体よりも部分の方が新しさを出せるからです。まず、先に「教えたいこと」があって、次に状況整理という順番で考えます。
自分の視点で情報を切り取ります。見た出来事を自分なりに編集して、自分なりの切り口で表現するのです。例えば、「これすげぇんだよ」を頭につけるとかです。あと、他の映画のシーンと比較をしたりといったようにでしょうか。
◆ ステップ2
相手を動かす言葉の選び方を身につける。
切り口を変えるのではなく、教えたい人を変える。
◆ ステップ3
言葉の力を強くする方法を身につける。
なぜ教えたいと思うのか、理由を付け加える。このためには、「なぜこれに気持ちが揺れたのだろう?」と自問してみる。そうすることで、その時の自分のワクワク感や驚きなども思い出して、より言葉に力を載せることができるようになります。
- 初めて見た、聞いたことだから教えたい
- 予想と違っていたから、教えたい
- 共感してくれそうだから、教えたい
- 自慢したいから、教えたい
- 何かを学ぶときも、今自分が学んでいることをどの人にどのように教えようかという視点をもって情報を吸収する。
確かに、これを意識することで、情報の吸収力と言いますか、身につく知識の質が異なるでしょうね。学ぶから教えるへ移行することによって、実は自分がどこを理解できていないのかという点がクリアになるからです。
- 教えてもらいたいという視点は、相手との距離を縮める
「あなたにだからこそ教えてほしい」という姿勢を感じると悪い気はせず、むしろ「教えてあげたい」という気持ちになりますからね。仕事をするときもこうした姿勢は大切ですね。