ビジネスマンの皆さまへ捧げる読書日記

私が読んだ本のなかで役に立ちそうなものを紹介します

「第三世代の経営力」を読んで

著者は、ファンクショナルアプローチで有名な横田尚哉氏です。

 

では早速ご紹介します。

 

適者生存

企業が倒産せずに生き残ることは、その時代の環境に適合するということです。取るべき戦略は「強者生存」ではなく、「適者生存」の考えに基づくべきなのです。環境とは、顧客に関わること、自社に関わること、業界に関わること、政治に関わること、国際関係にかかることなど、全てが含まれます。

 

現在目の前で発生している現象をどう観るか

多くの場合「結果」と捉えることから始めますが、ファンクショナルアプローチでは、「手段」と捉えます。

結果と捉えると、何らかの原因があると考えてしまいます。「何が原因なのか」、「なぜそうなってしまったのか」というものです。どこかに原因があったから、今の状態、現象に至ったのだという考え方です。

そこには、今の現象を解決するために、その真の原因を是正すれば良いという前提があります。原因と結果の因果関係が明確にあり、原因の制御により結果をコントロールできるという考えに基づいています。

そういう思考は、原因が必ず必要であり、何としても探し出さなければなりません。

 

しかし、ファンクショナルアプローチでは、結果として観ずに手段として観ます。その現象が発生しているということは、何らかの目的があるはずだと考えます。その目的を達成するためにとった手段に問題があったのだと考えます。

そこには目的が達成しさえすれば、手段にこだわる必要はないという前提があります。

手段を変えても、同じ目的を達成することができるというものです。今選択している手段が最高の手段とは考えません。あくまで、選択肢の中で最適だと判断しただけなのです。

そういう思考が、本質を見出そうという思考に繋がります。本来目指している理想の姿を感じようとします。目的追究の行動を生み出します。

この行動が、進化には必要なのです。まだ見ない未来に向かう思考になるからです。理想の姿を見えるから、新たな手段を創造しやすくなるのです。それが「未来の具現化」です。

 

自身の「企業は誰のためにあるのか」を明確にする

進化する方向を決める重要な質問です。誰にとって優れた企業になるべきかを明確にしておくこと。

株主、顧客、従業員、経営者、関係会社、会員企業、地域社会、自然環境など、色々あります。一つでも構いませんし、複数あっても構いません。それを優先順にリストアップしてみてください。

この段階で、経営メンバーのなかで、異なるリストになるようでしたら、足並みが揃っていません。

本来は、経営メンバーはもちろんのこと、従業員全員が共有しておくべきリストです。

 

企業が扱っている「事業は誰のためにあるのか」を明らかにする

商材に対するユーザーが誰かということです。その商材にお金を払うかどうかを決定する人のため、重要である。その人にとって、価値ある製品かどうか、価値あるサービスかどうかで、購入するかどうかが決められるからです。

ファンクショナルアプローチでは、この人のことを使用者もしくはユーザーと言います。使用者は単独の場合、複数の場合もあります。複数の場合、その優先順位を明確にしておくことです。

誰にとって、良い製品であり、サービスであるべきなのでしょうか。生き残りを考える時、とても重要なファクターになるのです。

進化は、その使用者の要求を全て満たして、その使用者の問題を全て解決した時に成功するからです。ここがずれてしまうと、時代に受け入れられることなく、時代とともに消えていくことになるのです。

誰のために進化するのかが明確になれば、次に必要なことは、自社との接点や関係を明らかにすることです。その使用者に対して、「今、提供している製品やサービスは何か」、「その提供している製品やサービスに対する問題は何か」、「将来に対する期待や要求は何か」、などを知ることです。

「今、提供しているサービスは何か」を正確に知ることは大切なことです。何が求められていて、何が求められなくなってきているのかです。使用者は、何を買い求めているのでしょうか。何に、お金を払ってくれるのでしょうか。

なんとなくわかっているというものではなく、文字化して、書き出すことをしていきます。

注意すべきは、今の顧客は、今の製品やサービスしか経験していないということです。モノやコトで捉えるのではなく、ファンクションで捉えることです。なぜなら、顧客はモノやコトを求めているのではなく、ファンクションの達成を望んでいるからです。

企業の進化するべき方向は、今の顧客が期待している未来ではないということです。

顧客が向かう方向は、まさに新しい進化に必要な発想です。

では、顧客の感覚をどのように数値化するかというと、例えば重要度を用います。重要と感じるファンクションほど、多くのリソースをかけていき、あまり重要でないと感じるファンクションほど、リソースを減らしていくという方法を使います。

いくら高い水準を提供できるモノやコトでも、顧客がそれを利用し、役に立ったかどうかは別です。良かれと思って高品質の製品やサービスを提供しても、顧客に届かなければ、提供者の自己満足に終わるだけです。

 

進化に失敗しないための3つの禁則

禁則1 過去を否定しない

今までやってきた手段を別の手段に変えるときには、3つの理由があります

  • 是正 今までのやり方が間違っていた
  • 調整 今までのやり方の前提が変わった
  • 改善 もっと良いやり方が見つかった

進化は改善による変更です。

私たちがベストだと思っている方法は、その瞬間でのことであって、次の時代でもベストということはありえないということです。必ずもっと良い方法があるはずだと言えます。だから、諦めずに、その方法を見つけ出すまで努力するべきです。

「10年前、10人に聞いて9人がイエスといった方法でも、今、同じ10人に聞いても9人がノーということもある。時代は変わっている。この方法を知った今、あなたはどちらを選ぶべきと考えるのか」

禁則2 部分最適を考えない

大企業、老舗企業ほど進化できない。なぜなら、組織構造が複雑になっており、部分最適をしやすく、全体最適をしにくい構造だからです。

必要なのは、全体最適なのです。全体最適を目指すためには、部分的に見ると不適な状態になっており、ある部分が犠牲になったり、解体したりする必要があるということです。

禁則3 一人で行わない

より優れた手段を見つけるためには、先入観や固定観念の影響を受けず、個人的な主観に流されないことが大切です。しかし、客観的に判断できない創造的な活動は、どうしても主観で判断して行かなければなりません。主観は、その人の経験と知識によって生まれます。だから、チームメンバーの主観を重ね合わせることで、それぞれの主観を補正することができます。



第三世代の経営力

第三世代の経営力

  • 作者:横田尚哉
  • 出版社:致知出版社
  • 発売日: 2015-11-27