ビジネスマンの皆さまへ捧げる読書日記

私が読んだ本のなかで役に立ちそうなものを紹介します

「『40代』でやっておきたいこと」を読んで

著者は、川北義則氏です。

 

では早速ご紹介します。

 

少数派になるには

少数派と多数派の違いをいえば、多数派は人のつくったルールで考え行動する人、少数派は自分でルールをつくりたがる人。

少数派を目指すには、「常識」とされる事柄をすべて疑ってみる。常識は決して固定的なものではなく、時代によって変化する。ダイエットの常識などはコロコロ変わっている。

 

判断力

年齢や立場で求められる能力は違ってくる。では四十代になって、一番必要とされる能力とは何か。それは判断力である。

判断力を働かせるうえで、一番大切なことは「速さ」だ。何事も判断は速くなければならない。速ければ少しくらい間違ってもいい。それくらい速さが重要になる。四十歳を称して「不惑」(惑わず)というが、本当に迷ってなどはいられない。何事も「さっさとやる」に限る。決断力のない上司は部下からバカにされる。人間が何かを判断するとき、真っ先に頭に浮かぶのは、「これでいいのかな」という迷いだろう。つまり、自分が下した判断が正しいかどうかが気になるのだ。しかし、それにはあまりこだわらなくていい。

 

世界の動きを見る

経済評論家かジャーナリストになったつもりで、自分の会社、属する業界、経済全体の動き、世界の動き、これらを注意深くウオッチングすれば、自分なりの見通しがついてくると思う。大切なのは、データと観察に基づいて冷静に見通すことだ。

 

決算書で判断する

自分の会社がどうなっているか、ということに一般社員は意外に無頓着なのではないか。自社のバランスシートや営業報告書を熱心に読んでいる人はあまりいない。貸借対照表と損益計算書くらい判断できるのが四十代サラリーマンなら常識のはず。

 

自分の棚卸しをする

私の考えでは、当面、独立とかリストラなど、大きな身上の変化がない人は、能力、組織、家庭の三つの側面から自分の「棚卸し」をしてみるのがよい。まず能力について。四十代はあらゆる「力」が試される時期でもある。どこから見ても一人前の社会人だから、遠慮会釈なくいろいろな仕事が降りかかってくる。しかも、否応なく「結果」を通じて自分の能力を試される。決断力、行動力、企画力、人心掌握力などなど。まずは、それらを冷静に判断して、自分がどの能力に秀で、どんな能力に欠けているかをしっかり見ていく。

上司、同僚、部下との関係を再検討して、自分の人間関係力を自己採点してみる。中間管理職の四十代は、タテ関係が難しいが、ヨコ関係もないがしろにできない。それらをうまくコントロールしていかなければならない。

部下の能力を認め、それを伸ばす指導ができているか。上司の補佐をきちんとできているか。と同時に上司とうまく折り合いをつけて、自分の筋を通しているか。同僚、部下とのチームワークはどうか。そして、それが会社の利益になっているか。これからは不要部分は捨てられる運命にある。これらを検討すれば、組織内での自分の立ち位置や評価が見えてくるだろう。自分の能力の見直しと同様に「問題あり」と感じたら、さっそく修正にとりかかる。左遷された人間が返り咲くことがあるのは、しっかり自分を見つめ直して、自分の棚卸しをする時間をもてるからではないだろうか。

 

部下との接し方

第一は「即断即決」ということだ。部下が何かを相談してきたら、間髪を容れず「こうしなさい」と指示を出す。即断即決できる人間は、部下に「この人、できるな」と思わせると同時に、自分も「モタモタできない」という緊張感を与える。これが有効なのである。 第二に「ブレないこと」である。ブレる可能性があると思うと、部下は不安感を抱く。思い切って仕事をできなくなる。 「この人は一度決めたら変えない」と思えれば、安心して仕事に取り組める。信頼感も増してくる。

第三に「メリハリをつける」ことだ。とかく人は相手を読むから、いつも同じだと自然に学習して、見当をつけるようになる。メリハリをつけると、簡単に読めなくなり、相手の器の大きさを感じるようになる。

封建時代ならともかく、いまはどんなすぐれた上司といえども、「誰からもなめられない」でいるのは不可能だろう。ITに秀でている若い部下は、その部分で先輩や上司をなめてかかる。したがって彼らに「なめられない」ことを目指す必要もない。要はポイントになる人間から、なめられなければいいのだ。 「誰からも……」と思ってしまうと、ほかの部分ではレベルの低い相手にもエネルギーを使わなければならなくなる。子供相手に怒るのが大人げないように、相手のすぐれた部分は認めたうえで、多少の無礼があっても、できるだけ鷹揚に接することだ。

部下に頼らざるを得ないこともあるが、自分でやれることは、立場にかかわらず、自分でやること。頼りすぎて起こる弊害は、自分のレベルダウンにつながる。 

上司と部下は信頼によって結ばれていなければならない。では、いかにして信頼を勝ち取れるのか。  私見では、次の五つの戦略を実行するのがいいと思う。

  • 言葉より行動で示す
  • 正直をもって最高の武器とする
  • 自分の気持ちを隠さない
  • 弱さも知ってもらう
  • 要求を率直にする

 

人付き合いのルール

私が考える人づきあいの基本ポリシーは、「気を使ったほうが負け」というものだ。したがって、私は相手によって対応を変えたりすることはすすめない。上司がどんな人であれ、部下は同じ態度で臨むべきである。

 

悪口を笑ってやりすごす

人から悪くいわれたことで、 仲違いすることはよくある。自分に向けられた悪口に敏感な人ほど人間関係をうまく築けない。築けないから、また敏感に、という悪循環に陥る。

人から悪口をいわれたときは、気にしないこと。人は元来、悪口をいうのが好きだから、誰もが言ったり、言われたりしている。つまりお互いさま。笑ってすますのが大人のふるまいだろう。いちいち反応するのは幼い。とくに部下をもったら、これは大切だ。

 

人のせいにしない

それでも人のせいにするのはよくない。というより、しないほうがいい。 理由は、たとえ部下が悪いのが事実だとしても、人のせいにすることで、失うものはあっても、得るものはほとんどないからだ。

「お前のせいで、こうなってしまった」こういうセリフをぶつけたところで何の足しにもならない。

契約の世界では、違反したときのペナルティーがあるが、個人の人間関係で起きることでは、必ずしもそういうことを厳密に決めていない。だから、相手を責めても局面打開につながることは少ないのだ。

人のせいにしたくなったら、こう考えればいい。

「いいことは他人のおかげ。悪いことは自分のせい」

 

一流店の味と雰囲気を知ること

くだらないことのようで、こういうことが心の余裕や品性、品格にも関わってくる。四十代は贅沢の経験値が絶対に必要だ。それには、自分で使えるお金がなくては話にならない。私の感覚では、四十代は自分が自由に使える小遣いが最低でも年間百万円は欲しい。給料では無理なら、副業で稼いででも、というくらいの気概をもってもらいたい。

要するにたくさんのお金はなくても、「自分が何かをしたいときにお金に困らない」くらいの金持ちが一番幸せなのである。そういう人間になるには、「使う」ことも覚えなくてはならない。人間的な魅力というのは、銀行口座やタンスにどれだけお金があるかではなく、どれだけのお金がその人間を通過したかに比例する。それが人間としての余裕をつくり出すのだ。

 

好奇心を持つ

四十代はよほど気をつけていないと、好奇心のカケラもない人間になってしまう。異性や周囲の人間から「つまらない人」などといわれないためには、好奇心を失わない努力をするのが一番だ。

では、どうやって好奇心を保ちつづけるか。気が向いても向かなくても、ふだんと違うことをやってみることだ。これは別に難しくない。

「興味があるからやるというよりは、やるから興味がでる場合がどうも多いようである」(寺田寅彦/物理学者・随筆家)

たまには、自分の信条や気分に逆らうようなことを、あえてやってみること。きっと新しい発見があるはずだ。

 

ギャンブルについて

当時、阿佐田氏の麻雀の腕前はプロ級だったらしい。「下手な奴に限って麻雀でも競馬でも全戦全勝を狙いたがる。勝ちすぎれば、人の恨みを買うし、人間関係もこじれてしまう。ギャンブルは金稼ぎが目的ではない。人生観を深め、男を磨く場でもある。ときには他人を勝たせながら、楽しませながら、ほどほどに生きることが大事だ」

 

教養があるとは

一般に「あの人は教養がある」というとき、それは文化的な知識の量であることが多い。いい趣味をもっているとか、礼儀作法にくわしいとか。だが、ビジネスパーソンの教養というとき、それは仕事に生かされなくては意味がない。そのことを、わきまえておく必要がある。

二十代、三十代ならスキルにものをいわせただけの成果でも、「立派だ」「よくやった」とほめてもらえるかもしれない。しかし、四十代はプラスアルファが求められるようになる。そのプラスアルファが教養なのである。
ビジネスパーソンの教養がある無しは、知識や経験がどれだけ身について、それによって人の心をどれだけつかめるかではかられる。四十代にもなったら、仕事のスキルに加えて人心掌握力がなくてはいけない。

いつまでも、若手のような気分でいてはダメなのだ。 では、どうすればビジネスパーソンの教養が身につけられるか。それは結局のところ、自分の見識を磨くしかない。見識とは本質を見抜く目のことだ。真の教養人になるにはこれしか道はない。

インテリジェンス発想は、極秘情報を必要とするわけではない。ありきたりの情報に、知識と経験を結びつけ、何が起きようとしているかを、自分の頭で組み立ててみる──こう考えるクセをつけること。

生き方やビジネスに必要なのは、「これからどうなる」式の予測力だ。こういう予測力を身につけておかないと、これから先、うまく生きてはいけない。

 

男の幸せとは

男は自分が幸せになることなど考えてはいけない。周囲の人間を幸せにすることが男の幸せだ。とくに身近な人間を幸せにすることを心がける。その意味で、妻を大切にすること。母親が幸せなら子供は間違いなく幸せに育つ。

親も学校の先生も友だち、同級生も友だち。そんな上下関係を知らない生ぬるい環境で育っては、ルールを守ること、破ることの重大さもわからなくなる。子供がいずれ一人で生きていけるように育てるのが親の務めだ。子供にとって、それが幸せなのである。

 

人間の4タイプ

アメリカの精神科医バーンによると、人間は四つのタイプに分けられる。

第一は「自分OK、他人NO」というタイプである。つまり自分は立派とか、自分は仕事ができると考えるが、他人は自分より劣っていると、上から目線で見ることの多いタイプである。

第二は「自分NO、他人OK」のタイプ。前のタイプの正反対の人。自分はダメな奴と思い、自信がない。他人は自分よりできる、とても敵わないなどと、劣等感に取りつかれているタイプである。

第三は「自分NO、他人NO」のタイプ。人生に対して否定的な考えをもっていて、自分もダメだが、他人もダメと、やや捨て鉢なところがある。過去に深い心のキズを負った人によく見られる。

第四は「自分OK、他人OK」のタイプ。自分に自信をもち、同時に他人も前向きに認める。明るく協調性があり、人間関係を良好に結べる。人間のタイプとしては、これが理想であることはいうまでもない。

現実の人間は、いずれかのタイプに傾いているが、同時に誰もが多かれ少なかれ、この四つのタイプの間を行ったり来たりしている。ここまでわかれば、いつも上機嫌でいるにはどうすればいいかがわかってくる。

つまり、もし嫌なことを言われたら、「ああ、このタイプになっているからだな」と思って、気にしない。こちらは「いつも上機嫌だぞ」といい聞かせ、決して感情任せにしない。感情は「希代のいじわる」であることを忘れないようにする。

 

ノーブレス・オブリージュ

オルテガのいう「自らに多くを求め、進んで困難と義務を負わんとする人々」は、西洋のいわゆるノーブレス・オブリージュの考え方だ。ノーブレス・オブリージュは、一般に「高い地位や身分に伴う義務」と理解されているが、身分や地位ばかりでなく、一定の年齢に達したら、同じように負うべきものが出てくるのではないだろうか。その分岐点は四十代にあると思う。もしも年齢身分、年齢階級というものがあるとすれば、四十代という年齢は、高い身分や地位の入り口に属する。進んで困難と義務を負う気持ちになってよい年齢なのだ。

自分の生き方に責任をもち、まず自分に何ができるかと、自ら問うてみることだ。

 

決心について

人間関係でも夫婦でも恋人同士の関係でも、「二人の仲が険悪なときにした決心は、必ず後悔する」といわれている。なぜなら、絶対に判断を誤るからだ。

一時の感情で「辞める!」と決心して、実行までしてしまう人は、同じ過ちを犯す可能性が大きい。もしも、「辞めたい」という気持ちが強くて収まりがつかないなら、せめて「会社から確実に引き止められる」確信がもてたときに辞表を出すべきだ。四十代になって、路頭に迷うのはつらい。

四十代でどこかへ飛ばされたら、まだ若いのだし、しばらく療養するくらいの気持ちでやればいい。ただ、そのとき決してくさってはいけない。くさったり、あきらめたりすると、潮目が変わる。くさらないためには、前向きに受け止めるしかない。むしろ「よかった」と思えるくらいでなければダメだ。左遷された人によく見られるのは「自分はこんなところにいるような人間ではない」などと、新しい環境になじもうとしない人である。こんな受け止め方をしてしまったら、もうダメである。

「私は災難の起きるたびに、結果的にそれがよかったといえるよう努力した」石油王ロックフェラーの言葉である。不運にも左遷されてしまったら、次のように考えて過ごそう。

  • よい機会を与えられたと感謝する
  • 与えられた環境で自己の最善を尽くす
  • 他人とうまくやる
  • 明るさを失わない

そうすれば、必ずよい目にあえる。

 

「40代」でやっておきたいこと (知的生きかた文庫)

「40代」でやっておきたいこと (知的生きかた文庫)

  • 作者:川北 義則
  • 出版社:三笠書房
  • 発売日: 2013-03-01