ビジネスマンの皆さまへ捧げる読書日記

私が読んだ本のなかで役に立ちそうなものを紹介します

「真の顧客志向を生むプロダクトアウト戦略」を読んで (1)

著者である伊藤修氏は、松下電器やマッキンゼー、日本総研の研究員などの経歴を持たれている方です。

 

★ 目次

 

「プロダクトアウト」とは?

この本では、「プロダクトアウト」の重要さが説かれています。

そもそも「プロダクトアウト」とは何でしょうか?

www.jmrlsi.co.jp

上記のサイトを引用させていただきます。

プロダクトアウト(product out、product oriented)とは、企業が商品開発や生産を行う上で、作り手の理論や計画を優先させる方法のことです。買い手(顧客)のニーズよりも、「作り手がいいと思うものを作る」「作ったものを売る」という考え方です。

 

このプロダクトアウトには対義語があります。

それが、「マーケットイン」です。こちらも上記のサイトを引用させていただきます。

一方、マーケットイン(market in、market oriented)とは、ニーズを優先し、顧客の声や視点を重視して商品の企画・開発を行い、提供していくことです。プロダクトアウトの対義語であり、「顧客が望むものを作る」「売れるものだけを作り、提供する」という考え方です。

 

この本では著者は、「自社にできないことをやる」プロダクトアウトの戦略が競争優位に立つと述べています。

 

マーケットインの考えだけではなぜダメなのか

【著者の主張】

マーケットインでは、顧客のニーズを掴み、顧客志向を原則とするために顧客絶対主義になりやすく、こうした状態による差別化では、自社の競争優勢を見失い、果ては企業の体力を消耗させてしまう。

特に、消費者や顧客にアンケートや聞き取り調査をしても、さしたる意味がなく、顧客も多くの経験を積み、多大な情報を持ち、企業との情報格差を縮めているため。
消費者は決してイノベーティブな存在ではないため、こうした調査をすることによって答えが必ずしも見つかるわけではない。
特に、何の狙いもないままに、「とにかく顧客に聞いてみよう」という場当たり的な調査には何の意味もない。

このように、マーケットインだけを頼りにすることで、後追いになるため市場に翻弄され、製品やサービスだけではなく、企業そのものが消費されてしまいかねない。

 

(私の視点)

顧客の声をとにかく聞いてその声の数が多いという理由で製品の機能を増やしたり、アンケートや NPS 調査をやってから、これからのことを考えるといった場合があります。どのような製品を開発するかの判断は難しいですが(その開発がそのまま売り上げに繋がる可能性が高いため)、顧客が言うから作るというのでは、製品開発をする側としてもモチベーションが上がらない要因になるだろうし、会社や事業が目指すところへたどり着ける気もしないですよね。

 

 

プロダクトアウトの重要性

【著者の主張】

マーケットインの概念はもちろん重要だが、顧客のニーズを満たすだけでは市場で勝てない。利益を生み出していくためには、競合他社に勝つためには、自社の強み=独自性から発想するプロダクトアウトこそが、必要な競争力を生む。

マーケットインが不要というわけではなく、しかし市場に迎合することなく、「顧客のニーズ」と「自社の強み」を合致させていく。そこに知恵を絞ることが、企業戦略の重要な役割である。


企業には、常に自社の強みに裏付けられたアイデンティティが必要であり、このアイデンティティにこだわってこそ、「自社にしかできない」プロダクトアウトを実現できる。

「顧客が喜びそうなこと」から「自社でやるべきことをやる」という顧客志向ではなく、まず「自社にしかできず、自社がやりたいことは何か」、次に「それをどのようにすれば顧客に喜んでもらえるのか」の順番で考える。その上で、市場性を「確認」していくというプロセスをたどる。

企業は、顧客が想像もしなかったものを見せて、「これはすごい!」と思わせる存在でなければならない。欲しいと思っているものを提供されただけでは、顧客はそこそこの満足しかない。それでは感動は生まれないし、結果としてファンなどなってくれない。


(私の視点)

確かに、世の消費者が欲しいと思っていることを提供しても、あまり感動なく「良かった」くらいの感想しか持たないでしょう。

こうした疑問の答えが最初にあり、市場で勝つためにはそれを常に意識していく必要がありますね。

「自社が社会に提供したい価値は何なのか」

「自社だからこそ社会へ提供できる価値は何か」

「自社はその価値で誰を幸せにしたいのか」

  

 

真の顧客志向を生むプロダクトアウト戦略

真の顧客志向を生むプロダクトアウト戦略