ビジネスマンの皆さまへ捧げる読書日記

私が読んだ本のなかで役に立ちそうなものを紹介します

「真の顧客志向を生むプロダクトアウト戦略」を読んで (2)

前回からの続きをです。

ちなみに前回の記事はこちらです。

www.verdancies.net

 

著者は下記の理由から「だからこそプロダクトアウトが必要だ」と説きます。

市場のニーズを満たそうとすると自社の強みが活かせない。自社の強みを活かそうとすると、顧客に受け入れられないという時代だ。

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ところがその矛盾にこそ、ビジネスチャンスはあるということを知ってもらいたいのだ。そういうとらえ方をしないと、この時代には生き残っていけない。なぜならば、そんなことは何も気にしないでいいような好景気など、もはや決して巡ってこないからである。

 

現在の市場は飽和状態です。なぜなら、顧客は提供される以上のものを経験しているからです。こうした状況では、「顧客志向」を貫いても消去法で残してもらえる企業になるに過ぎないのです。

 

これから企業が進化するためにはどうすれば良いのか。それは、顧客がまだ知らない世界、製品・サービスを提供し続けなければなりません。そのためには、「自社にしかできない」プロダクトアウトだけなのです。

 

著者は、「顧客志向」を必ずしも否定をしていません。「自社にしかできない」プロダクトアウト思考によってサービスを提供して、顧客の声に耳を傾ける重要性を説いています。

 

続いて次のように述べています。

常に顧客の立場に立つという視点は重要だ。プロダクトアウトが重要であるといっても、技術や自社の都合ばかりを追い求めると、思わぬ労力や出費をユーザーに要求する結果になるというのも事実なのだ。
技術が達成する効果にしても、実際の効果もさることながら、顧客は、見た目などの実感できる部分で驚きを求めるものだ。その延長線上にあるのが、デザインやパッケージ、ネーミングやコマーシャルの効果である。技術にもそうした効果が要求される。ユーザーにわかりやすい、もっと言えば驚ける効果だ。見た目の変化、「明らかにスピードが速くなった」などだ。

 

今、市場が求めるブランドとは、安定供給でもなければ、自分たちの顕在化したニーズを満たしてくれる企業イメージでもない。自分たちを驚かせてくれる、新しいスタイル、新しい提案をし続けてくれる企業かどうかである。

 

さらに著者は、イノベーションとは全ての企業を成熟期から導入期に戻すことだと言います。要は、顧客にとって「商品のイメージをガラリと変えて、ゼロベースで考えなければいけない」と思い直させるほどの改革と言い切ります。

 

企業にとっての技術革新ではなく、ライフスタイルやワークスタイルが変わると顧客に思わせるイノベーションの必要性を説いています。

こうしたイノベーションの具体例として、アサヒビールの「スーパードライ」をあげています。「アルコール度が高いのに、爽やかなビール」と消費者へ新鮮な衝撃を与え、キリンビールの優位性からビール市場を平場に戻して成功をしています。

ソニーの「バイオ」にしても、当時の顧客のニーズをうまく提供して成功しています。当時のパソコン市場は NEC、富士通、IBM がシェアをほとんど抑えていました。しかし、普段パソコンでメールとファイル作成、表計算を少しするくらいの人たちにとっては、これらの会社が出すパソコンではスペックが高かったのです。だから、「(プロレベルでは)使わないパソコン」である「バイオ」はシェアを取ったのです。

 

 

 

真の顧客志向を生むプロダクトアウト戦略

真の顧客志向を生むプロダクトアウト戦略